生徒会の恋愛事情
こんな感じで、生徒会は全然落ち着かなかった。
生徒会の用事している時は真面目にやってる。
だけど、例えば弥先輩とあたしが見回りの日は、皆早く帰ってくれたり、結構気を遣ってくれてる。
堂々とデートしたり、学校で生徒会の話しかできないのを、皆が分かってくれてるからだ。
正直、普通に生活している時って、弥先輩と付き合ってる事を忘れそうになる。
勿論、生徒会の仕事してる時に市場を挟むのはいけないから、これでいいんだけどね。
でも皆のおかげで、弥先輩と二人でいられる時間が増えて、恋人らしい事っていうか…何て言ったらいいか分からないけど、ドキドキできる機会が増えた。
皆がいなくなった瞬間にそっと抱きしめてくれたり、帰り際に頭なでてくれたり…
あと、香里奈先輩なんかは恋バナ大好きだから、あたしの話も聞いてくれる。
なんかそういう細かい瞬間に、あたしって弥先輩と付き合ってるんだって実感できる。
それだけで十分だった。
そんな感じの幸せが暫く続いた。
そんなある日だった。
その日は日曜日で、あたしは買い物に出かけてた。
夕飯は何がいいかなって、そんな事を考えていた時だ。
「すいません。
少しお時間よろしいですか?」
あたしは振り返った。
そこには綺麗な女の人が立っていた。
「何でしょうか?」
「少しお話したい事があるんです。」
「お話って…?」
「はい、平井沙羅さんに。」