生徒会の恋愛事情


「あの…乗る前に一つだけ教えてください。」


「何でしょうか?」


「初対面ってさっき言ってましたけど、それって誰かからあたしの事を聞いたって事だと思うんです。
誰から聞いたんですか?」


「…神崎弥。」


「ッ!」


弥先輩の知り合い…?


「少しは私を信用していただけたでしょうか?
私は神崎弥の知り合いで、彼から貴方の事を伺いました。
そこで貴方とお話ししたいと思ったのです。
…乗っていただけますか?」


「分かりました。」


蘭子さんが車のドアを開く。


あたしは促されるがまま、黒い鉄の塊に乗り込む。


あたしが乗ると、絵恋さんが乗り、蘭子さんがドアを閉めた。


車には他に人が乗っていなかった。


間もなくして、車が動く。


「急な誘いだったのに、ありがとうございます。」


絵恋さんが冷たく言い放つ。


「いえ…それで、話っていうのは?」


「平井沙羅さんがどういうお方なのか知りたくて。」


この時、あたしは悟った。


この子…弥先輩とあたしが付き合ってるの知ってる。



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