生徒会の恋愛事情


「絵恋、どういうつもりだ?!?」


弥先輩が大きな声で言う。


言うというよりかは怒鳴っている。


あたしは窓を開けて、弥先輩の方を見る。


「弥にぃこそ、どうしてここにいるのよ?
っていうか、何で怒鳴られないといけないの?」


「心当たりならあるだろ!?
沙羅ちゃんは何処?」


「沙羅さんなら車の中にいるよ。
大丈夫、お話して…って!」


弥先輩がこちらに向かって走ってくる。


あたしは思わず車から降りた。


「沙羅ちゃん!」


名を呼ばれた瞬間に抱きしめられる。


そこにいたのはいつもの弥先輩だった。


「心配したよ。
華羅から連絡があって、沙羅ちゃんがよく分からない人の車に乗ったって…」


「華羅お姉ちゃんが?」


そっか…それで弥先輩が探してくれたんだ。


「大丈夫ですよ。
絵恋さんとお話してただけですよ。」


そりゃ、最初はどうなるかと心配したし、怖かったけど。


でも何もなかった。




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