生徒会の恋愛事情


「例えば、光唆くんは一生徒の意見をよく代弁してくれてる。
普通の子はこう思うんじゃないですか、みたいな。」


「そういえば、そうですよね。」


「ああいう事って、同じ教室で一緒にいても、僕達には分からない事が多いんだ。
…誤解を招く言い方だけど、悪い意味で育った環境が違うから。
あと、華羅は凄く勢いがある。
何にでも恐れずにチャレンジして、全部を全力でやる。
多分だけど、あそこまで何にでも頑張れる人って、僕達の周りには、少なくとも子供の中にはいないよ。」


「そうなんですか?」


「皆頑張っているよ。
でも…あれだけがむしゃらに頑張れる人はなかなか少ないよ。
なんていうか…変なプライド持っている人が多くて。」


「なるほど。」


お金持ちの人って、メンツとか大事だからかな?


「だから華羅がいる事で僕達は凄く刺激を受けているんだ。
僕達もあれぐらい頑張らなきゃって。
それで沙羅ちゃん…」


「はい…。」


「沙羅ちゃんはね、凄い素養を持っているんだ。」


凄い素養?


あたし、華羅お姉ちゃんみたいに賢くない。


光唆みたいに行動力に優れているわけではない。


あたしは…生徒会の中で、それこそ悪い意味で普通の子。



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