生徒会の恋愛事情
弥先輩は少し屈む。
少しで合わせやすくなった視線に、あたしは更にドキドキする。
「沙羅ちゃん…好き。」
そう言って弥先輩は目を閉じて、あたしの唇にキスをした。
文化祭の時みたいなかするようなものじゃなくて、ちゃんとしたキスだった。
今何が起きているのか、分かっているはずなのに分からなくなる。
そう、それこそ頭の中が真っ白になる。
顔が真っ赤になる。
あたしは思わず、弥先輩の腕を掴んだ。
すると、ゆっくりと弥先輩は離れていく。
あたしはここで、弥先輩とキスした事をハッキリと自覚する。
そして…弥先輩はあたしにとって、かけがえのない存在であると認識した。
「ありがとう。」
弥先輩は小さな声で言うと、またあたしをギュッと抱きしめた。
「ごめん。
言ってからってさっき言ったのは自分だけど、恥ずかしくて。」
「恥ずかしい?
弥先輩が?」
「そう。
余裕のない顔を好きな女の子に見せるのって恥ずかしいんだよ。」