生徒会の恋愛事情


弥先輩がせっかく呼んでくれたんだ。


どんな形でもいいから楽しまなきゃ。


探してばかりなのも疲れるし。


「そうだね。」


今日ここに来て、初めて笑った気がした。


それからあたし達は、ガツガツしないように気を付けながら食事を楽しみつつ、誰か話せる人がいないか探した。


なかなか時間は取れなかったけど、香里奈先輩と小百合先輩とはお話しできた。


二人とも凄く綺麗で華やかで、いつもとは違う雰囲気に驚いた。


これだけで満足かなって思っていたパーティーの終盤、あたしは華羅お姉ちゃんと話していた。


パーティーにも少し慣れて、落ち着いて楽しんでいた時だ。


「華羅!沙羅!」


振り替えると、聖也先輩がいた。


「聖也先輩!」


華羅お姉ちゃんは、聖也先輩を目の前にして固まってしまう。


遠目で見てもそうだったが、近くで見ると更にかっこよかった。


「聖也先輩、こんにちは。」


「こんにちはでも良いけど、今日はメリークリスマスと言っておけ。
もし大人に声かけられたら尚更だ。
それにしても、二人ともいつもと雰囲気違うな。
一瞬、華羅と沙羅って分からなかった。」


「あの…」


華羅お姉ちゃんが恐る恐る聞く。



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