生徒会の恋愛事情


「雰囲気違うって…どんな感じですか?」


聖也先輩を真っ直ぐに見つめる華羅お姉ちゃんこそ、いつもと違う感じだった。


「そうだな…沙羅はお嬢さんって感じだ。
深窓の令嬢に見える。
華羅は…大人っぽくて綺麗だ。」


言い終えた聖也先輩は、目を反らした。


面と向かって褒めるのが恥ずかしかったのだろう。


華羅お姉ちゃんはその事に気付いているのかいないのか、目を大きく開けて彼を見つめている。


そして数秒後に、小さな声で言ったのだ。


「あ、ありがとうございます。
ほ、ほら!
沙羅もお礼!!」


「え?
ありがとうございます!」


華羅お姉ちゃんに促されて、あたしは漸く、自分も褒められた事に気付いた。


それから暫く、華羅お姉ちゃんと聖也先輩と三人で話せる時間を持てた。


だけど香里奈先輩達がそうしてくれたように、あたしも華羅お姉ちゃんと聖也先輩を二人きりにしたいと思った。


「あたし、向こうでジュース貰って来ます!」


「ちょっと!?
沙羅!」


華羅お姉ちゃんの呼び止めを無視して、あたしは人混みに紛れていく。


聖也先輩がどれだけ時間取れるか分からないけど、出来るだけ一緒にいてほしい。


二人に言った通り、あたしはスタッフの方にジュースのおかわりを貰う。


そして、何処にいようか迷って辺りを見回したんだ。


その時である。


「え…?」



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