生徒会の恋愛事情


「私はこのような者で…」


小金井さんが華羅お姉ちゃんに名刺を渡す。


華羅お姉ちゃんはそれに素早く目を通すと、あたしと同じ反応を見せた。


「沙羅さんが先程、お姉ちゃんと仰ってましたが…貴女も生徒会の方で?」


「え?あ、はい!
平井華羅と申します。
妹の沙羅と一緒に生徒会役員をしていますが…」


華羅お姉ちゃんの答えに、また同じ言葉が繰り返される。


「そうですね。
お時間合いましたら是非とも。」


「それでは、連絡待ってますよ。」


小金井さんは上機嫌にその場を去った。


逆にあたし達は急いで会場に戻る。


「どうしようか、これ。」


華羅お姉ちゃんはマジマジと名刺を見つめる。


「あたし、とりあえず弥先輩に相談してみる。」


「それがいいね。
あたしもその相談の時は混ぜて。」


楽しげで騒がしいパーティー、困って静かなあたし達…何もかもが違っている。


だけど一つだけ変わった。


あたし達、何か大きなものに巻き込まれそうだ。


そう、この対照的な世界の中に。



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