生徒会の恋愛事情


「いいよそんなの。
忙しいのに、今日のために一生懸命勉強してくれたの知ってるよ?
僕はそれで十分。」


優しい言葉が次々と紡がれる。


勿論、貰ったプレゼントは凄く嬉しい。


でもあたしにとっても、こんな時間が一番嬉しく思えるんだ。


だからこそ、用意出来なかったが悔やまれる。


「来年のクリスマスはちゃんと用意しますから!
あと誕生日も…あれ?弥先輩、誕生日いつでしたっけ?」


「4月15日だよ。」


「4月ですね!
去年は全然知りませんでした。」


「だろうね。
沙羅ちゃんが生徒会入るって決めた頃だったね…今、思えば、凄い誕生日プレゼント貰ったよ。」


「え?」


「沙羅ちゃんが生徒会に入ってくれた事。
変更の多い年だったけど、沙羅ちゃんのおかげで色んな事ができたし、それに…僕の末期毎日も凄く充実してる。」


「それはあたしもですよ?
生徒会入って色んな事経験できて、弥先輩にも会えて…驚きましたけど、素敵なスタートを切れました。」


「そう言ってもらえると嬉しいよ。
これからもよろしくね?」


「はい!」


世界は思わぬ方向に向かう時がある。


予想外の苦労もあれば、予想外の苦労もある。


あたしは両方手に入れて、今に至った。


そう、こんな素晴らしい時間だ。


耀く光に包まれて、ガラスの向こうも色んな光でキラキラしていた。



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