生徒会の恋愛事情
胸を張って
「とうとう今日だね。」
「うん、華羅お姉ちゃん、一緒に頑張ろうね。」
今日は小金井さんと、表向きはお食事に行く日、場所は小金井さんのお屋敷だそうで、家の前まで車で迎えに来てくれる。
真冬にも関わらず、朝の支度をしている今も手から汗が止まらない。
「そこまで緊張することないでしょ。
したところで何も変わらないじゃない。」
洗濯機の操作を終えた由羅お姉ちゃんがひょっこりと顔を出す。
由羅お姉ちゃんの言う通りだ。
緊張したところで、あたしはあたしだ。
あたしに出来る事しかできない。
それは分かっているのだが、
「でもね、今日失態を晒したら、来年の生徒会がなめられちゃう。」
再来年は絵恋ちゃんが継いでくれるから何も心配はない。
正真正銘どころか、上流階級の中でも上流に位置するお家のお嬢様だ。
だがあたしは違う。
誰もあたしのことなんか知らない、知られてないような家の子だから逆に注目される。
だから今日、せめて小金井さんにはあたし達を認めてもらわないといけないのだ。
今まで先輩達が築き上げてきた生徒会の面子を今年潰すわけにはいかない。
それが今日のあたしの役割だ。