生徒会の恋愛事情


「どうかな、学校は…生徒会の方は。」


ティーカップに口をつけた小金井さんは、愛想の良い笑みを浮かべながら本題に入る。


「…生徒会は大変な事も多いですが、その分、楽しい事や達成感もあって、毎日が充実しています。」


華羅お姉ちゃんがあたしより先に話したくれる。


華羅お姉ちゃんがいてくれ本当に良かった。


あたしはそう思いながら、少しずつ緊張を解いていく。


「沙羅さんの方はどうかね?」


小金井さんがこちらを向く。


少し肩の力が抜けたあたしは、自然に微笑む事が出来た。


「あたしも姉と同じです。
付け加えるとするなら…きっと生徒会に入ってなかったら出来なかった事、学べなかった事に沢山出会えたと思ってます。」


部活したり、バイトしたり、勉強に専念したり、そんな生活もきっと違った素晴らしい生活を送れたと思う。


でもあたしは生徒会に来れて色んな人、場面、感情に出会った。


追い詰められる事もあったけど、今では良い思い出だ。


それに、4月からの全てが今のあたしの糧だ。


そう思うと、あたしの心は少しずつではあるものの軽くなっていく。


小金井さんは今のあたしがお話させてもらうには大きすぎる人だけど、怖がらなくていい。



それに、前向きなのが良いって絵恋ちゃんがパーティーの時に言ってくれた。


先輩達や光唆だって、あたし達なら大丈夫だって言ってくれた。


勇也先輩なんか、自分が行くよりあたし達が行く方が安心できるって言ってくれた。


そう、華羅お姉ちゃんが今いてくれる事もありがたいけど、ここにいなくてもあたし達を応援してくれる人達は沢山いる。



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