生徒会の恋愛事情
だから臆する事なく堂々と話そう。
小金井さんの娘さんと来年に生徒会で一緒になるなら尚更の事だ。
頼りない先輩に娘を預けるのは、小金井さんも嫌に違いない。
あたしは真っ直ぐに小金井さんの目を見て、次の言葉を待った。
「具体的にはどんな事が大変?」
小金井さんの質問に、今度はあたしから答えた。
「そうですね、生徒会だからって、任される事を全部自分達で決めれない事に苦労する事があります。
例えば行事に関する事だと、先生達に色んな許可をもらうのは勿論ですけど、関連の委員会の意見も、多少難しい事でも取り入れないたいけないです。
そこをどうにか取り入れたり、逆に説得しないといけなかったりもするんですけど、そこが大変だと思ってます。」
さっきとはうってかわって、落ち着いた口調で話す事が出来た。
背筋も意識しなくてもピンと伸びるようになった。
その事に華羅お姉ちゃんが驚いているのが、左肩から伝わって来る。
でもそれ以上に、小金井さんの雰囲気が変わった気がした。
微かにだけれども、あたしを見る目がさっきとは違う。
「そうかそうか。
それは大変そうだね。
華羅さんはどうかな?」
「そうですね。
私が大変だと思う事は失敗する事が出来ない事です。
私も今年から生徒会に入って、何もかも完璧ではないですけど、私が失敗したら、他の事で忙しいメンバーの手を煩わせるので。」
先輩の方が抱えている問題の質が大きかったりする。
特に去年からいて、今年が中心メンバーの弥先輩と勇也先輩、この二人を見ていると、目が回りそうになる。