生徒会の恋愛事情
今日呼ばれた名目も忘れ、華羅お姉ちゃんはお母さんに詰め寄る。
そう、姉妹だけで協力しあって生きてきたんだ。
今あたし達が生徒会の仕事を頑張れるのは、美羅が放課後真っ直ぐ家に帰って、ご飯作ってくれたり、洗濯物取り込んでくれるから。
生徒会の他にバイトしなくていいのは、働いている由羅お姉ちゃんが全部家にお金入れてくれるから。
あたしが塾とか行かずにこの高校に入れたのも、華羅お姉ちゃんが勉強の面倒見てくれたから。
あたしも…出来る事は少ないけど、家族のために一生懸命生きてきたつもりだ。
こんな形であっさりと出て来られても、納得のしようがないのだ。
「華羅さん、落ち着こう。
今彼女を責めても何にもならない。」
小金井さんが諭すも、華羅お姉ちゃんは一歩も引かなかった。
「…小金井さんは知ってたんですか?
知ってて今日この場を設けたんですか?」
華羅お姉ちゃんがお母さんに怒りをぶつける分、あたしは小金井さんに感情をぶつけてしまう。
抑えて言ったつもりだが、やはり先程のようには話せていない。
「…一回座って、四人で話をしよう。
沙羅さんの質問にもそれから答える。
お茶のおかわりを用意しよう。」
小金井さんはメイドさんを呼ぶと、4人分の紅茶を持ってくるよう指示する。
メイドさんが恭しく頭を下げ、部屋から出ていく頃、あたし達は漸くソファに腰を下ろした。