生徒会の恋愛事情
「沙羅ちゃん!?」
弥先輩が入ってきて、すぐに電気を付けてくれた。
でもあたしは固く目を瞑っていて、周りの状況を見ていない。
「沙羅ちゃん?」
「えっと…腕が…」
「煩い…」
聞いた事のない声だった。
あたしは目を開けて、目の前の光景を確かめる。
そこには白衣を来た女性が座り込んでいた。
「また寝ちゃったみたい…
あ、神崎じゃん。
ちょっと止めてよ、見回りついでに彼女とデートするなんて。」
「止めてほしいのはこっちです。
せめてベッドで寝て下さいよ。
それと、この子は平井沙羅ちゃん。
1年の生徒会役員で、今日は見回り当番なんです。」
「平井沙羅…ああ、平井の妹ね。
初めまして、保健室の蛇持(ヘビモチ)です。」
「初めまして。
平井沙羅です。
宜しくお願いします。」
「こちらこそ、宜しく。
…二人とも動かないでね、今から写真撮るから。」
蛇持先生は白衣のポケットから、楽しそうにスマホを出した。