生徒会の恋愛事情
貧しい子供の支援?
正直、お父さんが生きていた頃もそんな裕福な家庭じゃなく、生活していくだけで精一杯だった。
確かにあたし達は、そこにいた子供達に比べたらとても恵まれていると思う。
でも思う。
そういった事業に取り組む事は大事だ。
だけれども、少しぐらいこちらを向いてくれても良かったのではなだろうか。
もしもっとお金があったら、由羅お姉ちゃんだって大学進学諦めなくてよかったのにとか、そんな考えが頭を過る。
あたし達のことを忘れてしまったわけではないのは、昨日の事で分かった。
「後妻になるのに子連れでってわけにはいかなかったのだろうけど…」
小百合先輩の言葉は分かる。
あたし達だって良い暮らしがしたいとかじゃない。
見捨てられたのは辛かったけど、そんなんじゃないんだ。
生徒会室に重い空気が流れる。
「沙羅ちゃん、華羅、昨日の事だけではなくて、僕達に出逢う前も沢山苦労したのだと思います。
今までその事の気付いてあげられなくて申し訳ない。
僕達に出来る事はないけれど、僕達の気持ちは先程聖也さんが言った言葉と同じです。
僕達は沙羅と華羅の言動に怒ったり心配したりはしていません。
2人とも不安に思っている部分があると思いますが、その事でこの生徒会に悪い影響が及ぶ事は絶対にありません。
これは間違いないです。
生徒会は来年以降もこのままの体制で続いていきます。
沙羅ちゃんと華羅は来年に生徒会で活動を続けてもらう予定も変わりはありません。
だからその件の心配は一切いりません。
…あと、もし2人が気になるようでしたら、咲羅さんについてこっちで調べる事も出来ます。
今じゃなくても、知りたい事があったら僕達に言ってください。
だいたいの事は分かりますので。」