生徒会の恋愛事情
家族会議と真実
それから数日が経った。
華羅お姉ちゃんもあたしも、由羅お姉ちゃん達に話せていなかった。
色んな事を我慢してきた由羅お姉ちゃんにも、母親を知らない美羅にも…どう話せばいいかも分からないし、話すべきかも決められなかった。
そんな時に、美羅の一言があたし達を驚かせる。
珍しく日が沈まない時間に家に帰って、由羅お姉ちゃんの帰りを待ちながら掃除機をかけていた時に、唐突に美羅が言ったのだ。
「生徒会の人かな?
午後に来てたよ。」
「え?」
あたしも華羅お姉ちゃんも、手を止めて一斉に美羅の方を向く。
美羅はあたし達の反応に逆に驚きながらも、順序だてて話す。
学期末試験で帰りの早い美羅が昼過ぎに家に帰ると、高そうな黒い車が家の前に停まっていたらしい。
こんな所に来るんだから、生徒会の関係者だと思った美羅は、その車を気にしながら家に入ったという。
でも次に買い物に出る時に見たら、車は見当たらなかったそうだ。
美羅は生徒会関係者と言うが、違う。
お母さんだ。
華羅お姉ちゃんもそう思ったみたいで、少し焦っているように見えた。
「ねえ美羅、車から人が出てきたりしてた?」
「出たかもしれないけど、見てないよ。
車が停まってただけ。
道に迷っただけなのかな?
っていうか華羅お姉ちゃんも沙羅お姉ちゃんも驚きすぎだよ。
学校で何かあったの?」