生徒会の恋愛事情
学校ではないけどね。
心の中にその言葉を押し込めて、もう少し話を聞き出そうとしたが、それ以上の事は何も分からない美羅からは望む回答は得られず、あたし達は諦めた。
もしまた見たら、いつでもいいから知らせてほしいと伝え、その場は終わりにした。
するとどうだろう。
美羅は数日に一度、この辺には不相応な車を見かけるというじゃないか。
時間に制約があるのか、あたしや由羅お姉ちゃんが帰る頃には車は全く現れない。
あたしも華羅お姉ちゃんも不安を募らせていく。
お母さんが美羅に危害を加えるなんて思ってもいない。
でも、いつあたし達の前に姿を現すか分からない。
あたしと華羅お姉ちゃんが、由羅お姉ちゃんと美羅に話す決心をしたのは同じような頃だった。
車が出没するようになってから10日が過ぎた頃、あたし達は家族でこの事を共有すると決めたのだ。
日曜日に小さなテーブルを囲む。
あたしと華羅お姉ちゃんは正座して、覚悟を決めているけれど、由羅お姉ちゃんなんか凄くリラックスしてる。
「華羅も沙羅も、改まって何?」
「そうだよ。
あの高そうな車の事?」
「高そうな車?
美羅、何の話?」
美羅が答える前にあたしが話に入る。