生徒会の恋愛事情
「そうだよ、美羅。
あの高そうな車の話。
えっと、由羅お姉ちゃんには説明してなかったよね?」
妹3人で、由羅お姉ちゃんに説明する。
由羅お姉ちゃんは目を丸くして、3人を交互に見る。
「車に乗っているのか誰か、あたしと沙羅はだいたい見当がついているの。
お姉ちゃんや美羅を危険な目に遭わせる人じゃないから言わなかったけど…いつあたし達の前に現れるか分からないから言うね。」
そんな深刻な事なのだろうか、そんな顔で美羅は華羅お姉ちゃんを見ていたし、由羅お姉ちゃんも同じだった。
あたしと華羅お姉ちゃんは顔を見合わせて、呼吸を整える。
言ったのはまさに同時だった。
「お母さんだよ。」
その時の由羅お姉ちゃんと美羅の顔を、あたしは一生忘れる事がなかった。
美羅は言葉の理解が出来なかったのだろう。
頭上に?マークを沢山乗せて、お母さんって誰のお母さんなのか聞いてくる。
由羅お姉ちゃんは何とも言えない顔をしていた。
驚いているのは当たり前だけど、まだ怒ってもいないし、喜んでもいない。
ただあたし達から出た単語が予想外で、頭が追い付いていないようだ。
「あたし達の産みの親だよ。
平井咲羅。
今は名字違うけど…」
「え?
本当のお母さん?
何であんな高そうな車乗ってるの?」