生徒会の恋愛事情
あたしと華羅お姉ちゃんで更に説明する。
美羅も由羅お姉ちゃんも深刻な顔をして聞いてくれた。
「正直、由羅お姉ちゃんと美羅に話さないつもりだった。
華羅お姉ちゃんもあたしも嫌な思いしたもん。
でも、こうなったからには話さなきゃって思った。」
そう締め括ると、何とも言えない空気が漂う。
居たたまれなさそうにちょこんと存在する小さなローテーブルが邪魔に感じた。
美羅と由羅お姉ちゃんは何を思っているのだろうか。
あたし達と同じように腹立たしく思っているのか、お母さんに会えるチャンスと考えているのか。
何も分からない。
ただ表情から窺えるのは、戸惑いだけだった。
「その人、本当にお母さんなんだよね?
間違いなんだよね…ごめん、お姉ちゃん達の事疑ってるんじゃないけど、ピンと来ないっていうか…」
無理もない反応だった。
「美羅は特にそうだと思う。
美羅からしたら、由羅お姉ちゃんがお母さんみたいなものだもん。
でも、本当にお母さんだった。」
あたしが説明すると、美羅は一生懸命飲み込もうとする。
美羅も頭では理解出来てるみたいだけど、心が追い付いていないようだった。
「だとしたら…何で今まで一回も会いに来なかったのに、今来るようになったの?
沙羅お姉ちゃんと華羅お姉ちゃんに会って、急に美羅達の事思い出したのかな…」
美羅は悩むように首を傾げる。
すると今度は、由羅お姉ちゃんが話し始める。