生徒会の恋愛事情


あたし達だって、無理矢理恨めとは言っていない。


由羅お姉ちゃんの意見が間違っているわけではないはずだ。


でもどういう訳か、由羅お姉ちゃんがそこまで言える事が不自然に思えた。


何故そんな風に思えるのか、今のあたしには理解出来なかったのだ。


大人だから?お母さんとの思い出が一番多いから?


理由を幾つか考えてみるものの、どれも納得出来なくて、モヤモヤした気持ちを抱えながらその日の話は終わった。


ただその日以来、由羅お姉ちゃんとあたし達妹の間に分かりあえない何かがあるのを感じた。


それがあんなに仲の良かった姉妹の絆に、ほんの少し溝を作った。


溝と言っても、あたし達は全員由羅お姉ちゃんを尊敬しているし、感謝も忘れていない。


いつも通りの毎日を送り、普通に笑って話せた。


人間なんだから合わない事があって当たり前なのだ。


それでもモヤモヤした気持ちが解消出来ないまま、あたし達は何週間か過ごした。


高そうな車は頻度は下がったものの、週に1度は来ているようだ。


あたし達だけじゃなくて、近所の人もたまに見かけると言っている。


事態は好転したとは言えなかった。


それでも由羅お姉ちゃんは仕事、華羅お姉ちゃんとあたしは学校と生徒会、美羅も学校や家の事にそれぞれ忙しく、お母さんと高級車の件に構っていられなかった。


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