生徒会の恋愛事情


弥先輩の言う答えあわせっていうのが何なのか分からないまま、狭い部屋に6人も集まる。


先程までの妙な広さは何だったのか。


というか、この家に6人も人がいるなんていつ以来だろう。


両親がいて、美羅も産まれた後は6人だったけど、姉妹全員が幼かったから狭いと思わなかった。


美羅が入れてきてくれたお茶も、コップは長い間使っていないものだ。


たまに光唆が来た時に使うものを弥先輩が使い、昔にお父さんが使っていたものをお母さんが使う。


思い出に置いていたお父さんのコップを、出ていったお母さんが使うなんて、誰も想像出来なかった。


「弥先輩、汚いし、狭いし…ごめんなさい。
息苦しくないですか?」


「そんな事は全然。
それよりごめんね、急に押しかけて。」


弥先輩や小金井さんの家からしたら、こんなのは倉庫にもならないだろう。


弥先輩は入った瞬間どう思ったんだろう。


聞きたいけど、全員が座り終えた今、そんな時間はなかった。


「まず皆様に急な来訪をお詫び申し上げたいと思います。
申し訳ありませんでした。
ですが、一刻も早く僕が知り得た事をお話ししたくて、今日参りました。
今暫くお付き合い下さい。」


丁寧な挨拶を終えると、弥先輩はここまで来た経緯を話した。


華羅お姉ちゃんとあたしが小金井さんの家でお母さんにあった事、それを聞いてあたし達のために何かしたいと思った事、そこで最近のお母さんの言動を調べていた事、そして直接聞こうと思った事…


どれも淡々と話されていたが、全てがあたしの胸を打つ。


知らない間に、弥先輩が動いてくれた事がとても嬉しかったのだ。


そして弥先輩の話は本題に入る。



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