生徒会の恋愛事情


翌日にお母さんは会社の電話から小金井さんの携帯電話に連絡を入れた。


その時は電話が繋がらず、その日話すのを諦めていた。


その日お母さんは閉店までお仕事で、お母さんが後片付けや明日の準備をしてから帰ろうとした時、外に小金井さんの車が待っていたという。


お母さんは小金井さんの車の中で頭を下げた。


そして久しぶりに見た家族の姿、お父さんと話した事、全て話した上で、虫が良すぎると分かってながらもう一度考え直してほしいと頼んだ。


小金井さんは怒りもせず、嫌味も言わず、お母さんにこう言ったそうだ。


「考え直してくれて、ありがとう。
私のところに来たら、咲羅さんは回りから色々言われると思います。
悲しいですが、そういう世界です。
でも私は咲羅さんも、咲羅さんの本来のご家族も両方守ります。
なので安心して来てください。」


それから小金井さんとお母さんの縁談は進んだ。


小金井さんはお父さんとも話したという。


そこで3つの事が決まった。


1つ目は小金井さんに支援してもらうのは生活していく上で最低限の額で、お父さんが働ける時はその分の額を引いてもらう事だ。


具体的にはあたし達が病気をしないで生きていけるだけのお金と、公立学校に進学するだけのお金、そしてお父さんの治療費だ。


2つ目は由羅お姉ちゃんには本当の事を話し、あたし達には言わない事だ。


お父さんに何かあって、家族が困り、小金井さんに頼らないといけない時のためだった。


ただ、事情が事情だけに妹達には話さず、お父さんさんと由羅お姉ちゃんの秘密になった。


そして3つ目は、時々由羅お姉ちゃんとお母さんが会う事。


真実が分かっていても、全く接触がないと、もしもの時に連絡が取れなくなる可能性があるから、半年から1年に一回会っていたそうだ。



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