生徒会の恋愛事情
条件も決まり、あとは離婚したら小金井さんとの結婚が決まる。
そんな段階になり、お父さんとお母さんは離婚届を書いた。
あたし達が学校や幼稚園に行っている間に、号泣しながら、涙で濡れる紙を何度も書き直して提出したそうだ。
そしてお母さんは小金井さんと結婚し、今までずっとあたし達の援助をしてくれていたという。
でも事態が少し変化した。
小金井さんとあたしが出会い、呼び止められ、家に招かれた。
お母さんは小金井さんにあたし達の名前を一度も言っていなかったらしく、気付かなかったそうだ。
そして小金井さんの計らいであたし達は再会した。
でも誤解していたあたし達はお母さんと小金井さんに酷い事を言い、まともに話さず別れた。
お母さんはその事は仕方ないと割り切れたが、成長したあたし達を見たくて、何度も家の近くまで来ていたのだという。
お母さんの長い回想は終わった。
弥先輩も含め、全員が涙を流していた。
弥先輩は涙を拭うと、背筋を伸ばし、ハッキリとした声で話した。
「これが真実です。
咲羅さんも沙羅ちゃん達も誰も悪くなかったんです。
だからこれからは、例え会えなくても、家族でいて下さい。
この事で苦しまないで下さい。」
あたし達は子供みたいに泣いた。
お母さんに沢山謝って、今までのお礼も言った。
弥先輩はその様子をずっと見ていてくれた。