生徒会の恋愛事情
散々泣きはらし、あたし達は和解する事が出来た。
帰る間際、お母さんはあたし達一人ひとりを抱き締めてくれた。
お母さんに抱き締められるって、不思議だけど温かかった。
お母さんはまた来てくれると約束し、華羅お姉ちゃんとあたしも会いに行くと約束した。
小金井さんにも謝らないといけない。
弥先輩はお母さんを送っていくと言って、一緒に家を出ていった。
家はいつもの4人に戻った。
しんと静まった、隙間風のよく吹く狭い部屋は、まさに我が家だ。
「さっきお母さんも言ってたけど、隠しててごめんね。
私だけお母さんに会ったりして…華羅も沙羅も美羅も淋しい思いしてたのにごめんね。」
由羅お姉ちゃんは改めて頭を下げたので、あたし達は慌てた。
「お姉ちゃん、頭下げたりしないでよ!
あたし達の方こそ、この前は色々言ってごめんね。」
「そうだよ!
由羅お姉ちゃん何も悪くない!」
「華羅お姉ちゃんと美羅の言う通りだよ。
顔上げて。
それより、お母さんにあたし達の事話してくれたり、お金貰ってきてくれたり、ありがとう。」
真っ赤になった目は、家族の絆の証だ。
「私の方こそ、いつもありがとう。
華羅、私が色々我慢してたの気付いてくれててありがとう。
悟られてないつもりだったからビックリしたけど、ちゃんと家族が見ててくれるって分かって嬉しかった。
美羅もいつも家の事ありがとう。
美羅のおかけで安心して仕事出来るよ。
沙羅も…今回だけじゃないけど、お母さんとあたし達を繋ぐきっかけ作ってくれてありがとう。
沙羅がいなかったら、5人揃う日なんて来なかったよ。
皆、本当にありがとう。」
ごめんという言葉が、ありがとうに変わる。
こうして平井家に、平和が戻ってきた。