生徒会の恋愛事情


「沙羅さんも、もしこのような所に嫁ぎたいと思うのなら、それこそ生徒会ではないけれど覚悟がいりますよ。
何でも起こるところ、恐ろしい世界だ。
それでもこの人と一緒にいたいと思える人に出会ったのなら、誰よりも相手を信じ、一緒に歩んでいきなさい。」


小金井の言葉の一つ一つが重かった。


この前話した時とは全く違う。


でも弥先輩とあたしのことを考えてくれての言葉だと思うと、どんなに重くても飲み込みたいと思った。


「はい。」


真っ直ぐに小金井さんを見つめると、小金井さんに笑顔が戻った。


「弥君も沙羅さんも良い返事だ。
弥君、借りは返したぞ。」


小金井さんはお母さんと華羅お姉ちゃんのところに戻って行く。


華羅お姉ちゃんとお母さんはこちらに向かって手を振っていた。


あたしは手を振り、弥先輩はお辞儀をする。


あたしは華羅お姉ちゃん達が駐車場に向かうのを見送ると、マンションの前に止めてある弥先輩の車に乗り込んだ。



「弥先輩、態々来てくださってありがとうございます。
それに、今回の事、本当にありがとうございます。
弥先輩のおかげで、お母さんと仲直り出来ました。」


「僕はただ調べて、咲羅さんと由羅さんからお話を聞いただけだよ。
それぐらいしか出来なかったけど、それが沙羅ちゃんの役に立てたなら良かった。
咲羅さん、本当に素敵なお母様だね。」


「はい。
あたしの自慢の母です。」


今なら胸を張ってそう言える。


お母さんだけじゃない、由羅お姉ちゃん、華羅お姉ちゃん、美羅、死んじゃったお父さん、皆が自慢の家族だ。



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