生徒会の恋愛事情


「沙羅ちゃんの今の笑顔、凄く可愛い。」


「え?かわ…?」


「ああ、ごめん。
いつも可愛いんだけど、最近悩んでいたせいか、いつもとちょっと違うなって思ってたから。」


言われてる事が恥ずかしすぎて、目が合わせられない。


あたしは下を向いたまま、いつもより少し上ずった声で必死に言う。


「あたし、そんな顔に出ていましたか?」


「うーんと。顔に出ていたってわけじゃなけど、やっぱり少し元気ないとは思ってた。
僕以外の人がどう感じていたかは分からないけど。」


だから弥先輩、凄く心配してくれていたのかな。


そう思うと、情けないような恥ずかしいような、何とも言えない気持ちになる。


「ごめんなさい。
心配してくれてたんですよね。
でももう大丈夫ですよ!
さっきも言いましたし、小金井さんも言ってましたけど、弥先輩のおかげで全部解決しました。
それにしても、小金井さんって本当に良い方でしたね。
正直最初は怖かったんですけど、優しい方でした。」


お母さん、あんな優しい人に大事にしてもらってるんだ。


そう思うと、安心する。


きっと大変な事が沢山あるんだろうけど、今のお母さんは幸せそうだ。


「そうだね。
怖い感じがしたのは、最初は態とそうしていたのだと思うよ。
大きなグループのCEOで、大勢の人のいるパーティーだったから、優しい部分を少し隠していたんだと、今なら思うよ。」


そう言った弥先輩は、何を考えているのか黙り込んでしまう。


気になって顔を覗くと、ごめんと言って話してくれた。



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