生徒会の恋愛事情
時は流れて、4月になった。
家族の関係は少し変わった。
お母さんと会えるようになった事は勿論、姉妹の間での話す内容が変わった。
皆、我慢をあまりせずに自分の意見を言うようになった。
自分勝手というわけでなく、どう思ってるかをストレートに言える関係になった。
聖也先輩と小百合先輩は卒業して、大学生になった。
卒業式に2人のファン達が生徒会室に押し寄せて、入れなくなってしまった事は生涯忘れないだろう。
因みに小百合先輩は海外の大学へ、聖也先輩は日本の大学に進学した。
てっきり聖也先輩は海外に行くって思ってて、その事を生徒会室で話したらこんな答えが返ってきた。
「華羅の近くにいたいんだ。」
その場にいた華羅お姉ちゃんが顔を真っ赤にして俯いてしまった事も、あたしは忘れないだろう。
あと、香里奈先輩と勇也先輩は生徒会を引退した。
勇也先輩は勉強に専念するためと聞いていたが、最終的に体育委員になった。
香里奈先輩も文化委員になった事だし、来年の行事関係は少し楽になるかもしれない。
そんなこんなで、生徒会は新しくなった。
今年は去年と違って、予定外のメンバーが入らなかった事から、入学式の前にメンバー全員で顔を合わせる事になった。
まだ校舎が静かな朝の7時前、生徒会室に8人の生徒が揃う。
半分が去年とは違う顔ぶれだ。