生徒会の恋愛事情
校舎が見えてきた頃、同じ制服を着た人達を見ながらゆっくりと歩いていた。
一度しかない高校の入学式なんだから、せかせかしてたら勿体ない思った。
でも、雰囲気をじっくり味わうのは出来なかった。
「沙羅!」
後ろから声がして、あたしは振り返った。
「光唆(コウサ)!
あはよう!」
「おはよう!
今日からまた宜しくな。」
「こちらこそ。」
今あたしと話しているのは、幼馴染の早阪光唆。
幼稚園から一緒で、何かとお世話になってる頼れる男友達なんだ。
「それにしても、二人で受かって良かったよな。」
「そうだね。
あたし、落ちたかと思った。」
そんな話をしながら、あたし達は一緒に学校に行き、クラス発表も見た。
あたしはA組で、光唆はC組だった。