生徒会の恋愛事情
「沙羅ちゃん、生徒会役員でしょ?
聖也先輩のこと紹介して!」
「…え?」
「あたしは弥先輩!」
「あたしは勇也先輩で!」
「え…ちょっと待って…」
こう来るとは思わなかった。
流石美形揃いの生徒会である。
「お願い!
とりあえず頼んでみて!」
「分かった。
頼んではみるけど…」
あたしがそう言った瞬間、教室中から人が飛んできた。
「平井!
俺に日比谷先輩を!」
「玉木さんは俺に!」
「ってかまず、お前の姉ちゃんを!」
あまりにも人数が多すぎるので、ルーズリーフに自分の名前と紹介してほしい先輩の名前を書いてもらった。
モテる人は凄いなと思った。
「頼んではみるけど、良い返事が返ってくるかは分からないからね!」
念のため、それだけ言っておいた。