生徒会の恋愛事情
それも自然な感じで、今だって2人は違う話をしてる。
さっきの話を聞いたあたしからしたら、凄く違和感を感じた。
でも、だからって何も言えるわけがないから、あたしはモヤモヤした気持ちを抱えながらその日の放課後を過ごしたのであった。
次の日も生徒会はあり、その時も何もなかった。
少なくとも、勇也先輩も弥先輩も変わった事は言ってない。
会議が終わって、事務作業をしたら見回りじゃない人は皆帰っていった。
今日の見回りは、あたしと弥先輩なわけだけど。
「沙羅ちゃん。」
事務作業の続きをやっていると、弥先輩があたしに声を掛けた。
「はい!」
「明日のことなんだけど…いいや。
ごめん、忘れて。」
「へ?
いいんですか?」
「ああ。
気にしないで。」
その言ってまた作業に戻った時の弥先輩の顔は、儚げで、少し不安そうだった。
いつもは堂々としていて、良い意味で自信がある人なのに…
「それより、遅れずに学校に来てね。」
「分かってますよ!」
あたしは手元の資料に目を向けて、少ししてから弥先輩をチラって見た。
真剣に仕事をこなす、普段と何も変わらない弥先輩の姿がそこにはあった。