生徒会の恋愛事情
もしかして、さっき勇也先輩と話していた事かな?
だとしたら…正直知りたい。
人の隠し事を詮索する事は悪いって分かってる。
でも何故か、弥先輩のことは知りたいって思ってしまう。
「沙羅ちゃん?
どうかした?」
手が止まっているあたしに、弥先輩は優しく問いかける。
「すいません!
何でもないです。」
あたしは、さっきまで考えてた事を忘れる為にも、必死で手を動かした。
いつもより集中してやったおかげで、あたしが担当していた書類のチェックは予定よりも早く終わった。
「沙羅ちゃん、流石!」
弥先輩は褒めてくれた。
「いえ。
これからも頑張ります。」
そう答えながらも、あたしの胸は喜びでいっぱいになる。
人に褒められるのって、こんなにも嬉しい事だったかな?
嬉しさで胸いっぱいになったあたしは、弥先輩の引っかかる言葉も忘れてしう。
その後、弥先輩が気になる言動をする事はなかった。