生徒会の恋愛事情
「!
聖也先輩、お世辞上手すぎですよ…。」
確かに、今の聖也先輩は反則だ。
美男子に真顔で言われて、ときめかないわけがない。
「そうだ!
何も気にするな!
俺らはほら…面子とか色々あってだな…って兄貴、いきなり殴るな!」
「お前が不用意な事を言うからだ。」
華羅お姉ちゃんを誉めた時と同じ表情で、聖也先輩は勇也先輩を殴った。
流石はクールに定評がある聖也先輩である。
「あの、面子というのは?」
光唆がすかさず言うと、香里奈先輩が慌てて首を振った。
「何でもないよ!!
何でも…ね?」
香里奈先輩は小百合先輩に目を向けた。
「そうね…本来なら何もないって言ったら何もないわ。
高校の友人のお宅に伺うだけだもの。」
「小百合さん!
逆に意味深っすよ!」
勇也先輩が発言すると、また聖也先輩に殴られていた。
「もういいかなって思って。
だって隠す必要ないわ。
今から弥君が車で迎えにきてくれるみたいだし。」
あたしと光唆は訳が分からない。
「あの何の話ですか?」
あたしが聞いたら、先輩方と、それと華羅お姉ちゃんが一瞬困り顔になる。
ちょうどその時だった。
黒くて長い車が、目の前の道路に止まった。