生徒会の恋愛事情
弥先輩に電話してみると、すぐに出てくれた。
「もしもし?」
「もしもし?
平井です。」
「沙羅ちゃん?
もう起きて大丈夫?」
「はい。
すいません。
凄く迷惑かけてしまって…」
いきなり倒れて、こうやって一室借りる事にもなってしまったのだ。
迷惑なんて言葉では軽すぎる気もする。
「迷惑なんて思ってないよ。
それより、何か食べたいものはある?」
「食べたいもの?」
「昨日の夕方から殆ど何も食べていないし、何か口にした方がいい。
沙羅ちゃんが食べたいものが家にあるかは分からないけど、用意できそうなものがあるなら出すよ。」
「そんな、申し訳ないです。
それに、私はもう大丈夫ですから。」
「大丈夫かどうかはまだ分からないだろ?
…とりあえず沙羅ちゃんが起きていられそうなら、朝ご飯の時間になったら迎えに行くから。
クローゼットの中から好きな服選んで、着替えて待ってて。
あと、なんかあったら僕に電話する事。
じゃあね。」
そう言って、弥先輩は電話を切った。
多分、これ以上話しててもあたしが遠慮するだけだからだろう。
あたしは未だに戸惑ったが、今は弥先輩の言う通りにしようと思った。
あたしはベッドから立ち上がろうとしたが、その前にある事に気付いた。