生徒会の恋愛事情
そんなある日の事だった。
あたしは昼休みに香里奈先輩と資料を作っていた。
今日の放課後に提出しなければならない資料だから、頑張らなきゃ。
「ごめんね、せっかくの昼休みに手伝わせちゃって。」
「手伝うなんてそんな。
これはあたしと香里奈先輩の担当ですから。」
「そうなんだけどね、これはあたしがやっておくから沙羅ちゃんはいいよ、とか言ってみたいじゃん。
っていうのは冗談だけど、放課後も毎日やってるのに、一年生の沙羅ちゃんに休み時間までやってもらうのは悪いなって思って。」
「そんなの、一年生とか関係ないですよ。」
だってあたしも生徒会の一員なんだもん、仕事しなきゃ。
「皆言ってるけど、沙羅ちゃんって本当に頼もしいわ。
あたしも見習わなきゃ…」
そんな会話から10分後、あたし達はなんとか資料作りを終わらせた。
「なんとか終わったね。
ありがとう。」
「終わりましたね。
お疲れ様です。」
「お疲れ様。
休み時間も半分残ってるし、よかったら一緒にお昼食べない?」
香里奈先輩の提案で、あたし達は生徒会室でお弁当を食べる事になった。
そこまでは良かったんだけど…
「ねえ、沙羅ちゃん。」
食べ始めてすぐに香里奈先輩にこう聞かれたんだ。
「沙羅ちゃんって好きな人いるでしょ?」