生徒会の恋愛事情
それが証拠に、その日の見回りもいつもと違った。
「沙羅ちゃんは…」
「はい!!」
弥先輩の隣を歩いているだけなのに。
デートしているわけでもない…どころか仕事中だ。
余計な事考えてはいけないと分かっているが、どうしても意識してしまう。
「ごめん?
びっくりさせちゃった?」
「違います!
勝手にあたしが大きな声出しただけです。」
「その方が防犯には良いかもしれないね。
蛇持先生が寝てても起きてくれるだろうし。」
「…そうだと良いですね!」
弥先輩はフォローしてくれたけど、恥ずかしい。
昨日まではこんなんじゃなかったのに…
あたしは「…のに、なのに」が口癖になっている事も気付かず、ひたすらそんな事を考えながら、保健室のドアを開けた。
「いっ!!」
「え?」
白い腕がそこに転がっている。
「…ひゃーーーーー!」
「煩い、煩い!
安眠妨害禁止!!」
あたしの目の前には、あの日と同じで、蛇持先生が起き上がったの。