生徒会の恋愛事情
入学式が終わり、ホームルームも終わる頃、あたしはまだ生徒会会長のことを考えていた。
距離があったから顔こそよく見えなかったものの、彼が何者なのか知りたかった。
それは恋に落ちたとかロマンチックな理由からではなく、なんとなく、ただ者ではないと思ったからだ。
「ねえねえ、平井さん!」
あたしは女の子に囲まれてる事に気付いた。
「今からもう帰るよね?
クラスの女子皆で、校門まででも一緒に帰ろうかって話をしてたんだけど…」
「あ、えっと…ごめん!
お姉ちゃんに呼び出されてるの。」
「お姉ちゃん?」
「うん。
一つ上の学年に姉がいて。」
「そうなんだ!
なら仕方ないね、これから宜しく!」
「こちらこそ。」
あたしは皆の名前を聞いて、自分も自己紹介してから、下駄箱の所まで皆と帰った。
殆どの生徒が帰っていく中、あたしは華羅お姉ちゃんと約束したところまで行く。
その場に行くまでは、特に何も考えてなかった。