生徒会の恋愛事情


「じゃあ安心!
美羅は?」


「美羅は買い物から帰ってきたところで洗面所にいるよ。
華羅お姉ちゃんは朝から出掛けてて、まだ帰ってきてない。
確か晩御飯はいらないって。」


「やっぱりそうか…」


由羅お姉ちゃんが呟くのをあたしは聞き逃さなかった。


やっぱりとはどういう事か聞こうとしたその時である。


「その華羅お姉ちゃんなんだけど!」


美羅が目をルンルンと輝かせながら、こちらへやって来る。


「デートしてた!」


「…へ?」


あたしは耳を疑った。


「美羅、もう一回言って?」


「華羅お姉ちゃんがデートしてた!
証拠写真あり!」


「私も見たよ。
イケメンと歩いている華羅。」


由羅お姉ちゃんも楽しそうに笑いながら言い、空いた洗面所へ歩いていく。


「手洗いうがいが終わってから報告ね!」


由羅お姉ちゃんのスリッパがパタパタと音をたてる。


その音が、あたしの中の何かを煽った。


「美羅、その写真見せて!」


ほらと、美羅はあたしにスマホを差し出す。


あたしは…その写真を見て、言葉を失ったんだ。



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