生徒会の恋愛事情
華羅お姉ちゃんが帰ってきたのは、夜の9時頃だった。
帰ってきたのはいつも通りの華羅お姉ちゃんだった。
「沙羅、明日の生徒会の事だけどさ…」
何も変わらない、大好きな姉だ。
「確かに…ポスター貼ればいいって話じゃないもんね。
各教室じゃなくて、玄関前とか、目立つ所に貼るだけで十分かも。」
あたしは冷静に話せるように努める。
でもやっぱり気になってしまう。
由羅お姉ちゃんの証言、美羅の撮った写真…見聞きしたものの記憶が薄れるには、まだ時間が足りない。
「そっか…じゃあ明日の放課後に言ってみよう。
ありがとう。」
華羅お姉ちゃんはニコッと笑ってその場から離れる。
何だか、あたしから逃げてるみたいだった。
「華羅お姉ちゃん!」
あたしはというと、捕まえるように華羅お姉ちゃんに言ったのだ。
「…今日、楽しかった?」
あたしがそう言うと、華羅お姉ちゃんはきょとんとした表情で言った。
「急にどうしたの?」
「えっと…華羅お姉ちゃんが休みの日に出掛けたのって久しぶりだから!」
「ああ、そうかも。」
華羅お姉ちゃんは一瞬間を置く。
「…楽しかったよ?」