生徒会の恋愛事情
「沙羅!」
華羅お姉ちゃんが驚いている。
「それは、妹としての意見か。」
聖也先輩が厳しい表情であたしに問う。
それは、生徒会会長もやっていた、生徒会の事をよく知っている先輩の言葉だった。
「はい。
生まれてきた時からずっと一緒だった家族としての意見です。」
あたしは、まだ生徒会の事をほとんど知らないと思う。
でも華羅お姉ちゃんのことは、この生徒会の誰よりも知っているから。
「体育祭が秋に伸びた。
それに伴って文化祭の開催時期も変更になり、夏から秋にかけての仕事量は倍、否…倍以上に増えるだろう。
それでも同じ事を言えるか?」
元々クールな彼がする真剣な話は、あたしに重くのしかかる。
「…華羅お姉ちゃんの分はあたしがフォローします。
だから」
それが、あたしに出来る償いだと思う。
あたしが今朝、変な事を考えた事に対する…
「沙羅、もういいよ。」
華羅お姉ちゃんがあたしの言葉を遮った。