生徒会の恋愛事情
留学の話―華羅―
分かってた、勝手な事言ってるって。
でも諦めたくなかった。
せっかくのチャンスだから
裕福じゃないあたしでも海外に行けるから
…浮かれてたと思う。
あたしは生徒会に立っていた。
さっき勢いで出ていったばかりだけど、午後の授業の教材がこの中にあるのだから仕方がない。
聖也先輩も沙羅ももう返ってるよね?
あたしはそう信じながら生徒会に入る。
そっとドアを開けて、中を覗く。
そこには…女の子と見紛う程綺麗な聖也先輩がいた。
しかも目が合っちゃった。
「…」
「…」
気まずい、凄く気まずい。
さっきの子供みたいな行動を思い出すと、顔から火が出そうだ。
「…さっきはごめんなさい。」
あたしは消えそうな声で謝る。
こんな小さな声だけど、聖也先輩にはちゃんと届いたみたい。