知っていますか?
盛野高校へ
ゴールデンウィーク明けの五月某日。
私は遂に盛野高校へ足を踏み入れた。
想像してたよりもずっと大きい学校だった。
この中で砂田君を探すのはまず間違えなく無謀だ、と学校を見たとたんに思った。
生徒会のディスカッションも終わり、盛野高校の生徒会長、宮下賢治が言った。
「せっかく来てくれた事だし、学校を見て回ってもらいませんか?」
各役職同士で組んで、各々案内してくれた。
あたしはもちろん宮下賢治とだった。
宮下賢治は、才色兼備で有名らしい。顧問の安川が前そう言ってた。
まぁ確かにそうかもしれない。顔はイケメンだったし、
ディスカッションの時の身のこなしも素晴らしかった。
正直難しくて何を言ってるか分からない部分もあったが、
そこは美紀がフォローしてくれた。
「どこか見てみたい所はある?」
宮下賢治は爽やかな笑顔で言った。
男の子と話すのも久しぶりだったあたしは少し緊張していたが、
あまりに爽やかな笑顔だったので、男の子との会話というよりも
宮下賢治自体に緊張してしまった。