知っていますか?

盛野高校へ





ゴールデンウィーク明けの五月某日。





私は遂に盛野高校へ足を踏み入れた。



想像してたよりもずっと大きい学校だった。



この中で砂田君を探すのはまず間違えなく無謀だ、と学校を見たとたんに思った。



生徒会のディスカッションも終わり、盛野高校の生徒会長、宮下賢治が言った。



「せっかく来てくれた事だし、学校を見て回ってもらいませんか?」



各役職同士で組んで、各々案内してくれた。



あたしはもちろん宮下賢治とだった。



宮下賢治は、才色兼備で有名らしい。顧問の安川が前そう言ってた。



まぁ確かにそうかもしれない。顔はイケメンだったし、



ディスカッションの時の身のこなしも素晴らしかった。



正直難しくて何を言ってるか分からない部分もあったが、



そこは美紀がフォローしてくれた。



「どこか見てみたい所はある?」



宮下賢治は爽やかな笑顔で言った。



男の子と話すのも久しぶりだったあたしは少し緊張していたが、



あまりに爽やかな笑顔だったので、男の子との会話というよりも



宮下賢治自体に緊張してしまった。


< 11 / 16 >

この作品をシェア

pagetop