知っていますか?
「ちーえーりーっ!!」
声をかけてきたのは中学の頃からずっと仲良しの理香だった。
弓道部に入っている彼女は、道着姿のままあたしに抱きついてきた。
「理香おはよ。朝練?」
「そー!もうすぐ大会だからねーっ!がんばらないと」
色白でくりくりの目を持つ萌え系美少女。ぱっと見ふんわり系と
思わせといて、頑張り屋さんのギャップがなんとも言えない。
共学ならまず間違えなくモテているだろう。
「千絵梨、今日も例の盛野の砂田君に会えたの?」
「ふふっ会えたよー♪」
「えーいいなっ聞かせてよ!」
理香は毎朝飽きもせずあたしの砂田くん話しに付き合ってくれる。
教室で朝礼を待ちながら、着替え終わった理香と話す。
「でもさぁ、千絵梨。あたしらあと一年で卒業だよー?」
「ですなぁ。」
「このままでええんかねぇさん。」
鏡を見ながら髪の毛を二つにくくっているあたしに突っ込むように言う理香。
「そうなんだけどねぇー・・・。やっぱ無理だよ~。」