知っていますか?


あたしには理香の様なかわいらしさがまずない。



背が高く、理香に比べるとキリっとした顔立ち。



あたしの事をよく知らない後輩なんかからは、憧れにされているらしかった。

(もちろん女子校なので、後輩も女なわけだが・・・。)



自分に自信がなかった。実際は知らないけど、ドラマとか漫画とか見る限り、



男の子はかわいらしい女の子が好きなんじゃないかなって。



あたしなんかは相手にされないんじゃないかって。



「あーい。LHRはじめまーっす。」

担任の谷が入ってきて大声で行った。



理香はそそくさと自分の席に戻って行った。



せめて下の名前だけでも知りたいなぁ・・・。窓の外を見つめていると谷に言われた。



「―・・・って事で、生徒会長候補はそこでぼーっとしてる神田なぁ。」




・・・え?




ちょっと待て、今何をおっしゃった?



固まっていたら谷が更に加えた。



「ん、問題なさそうだな、じゃあ神田に拍手。」



一斉に拍手するクラスメート。



「ちょー待て谷。なんでそうなった?」

「え?聞いてなかった?さすがぼーっとしてるだけあんなぁ。」

「すごい反省してるから前言を撤回してください。」



立ち上がって訴えた。



クラスメイトはクスクスと笑っている。



「いや、だから生会長候補を各クラス1人ずつ出さなきゃならんくて、

この前投票しただろ?ぶっちぎりでお前が一番だったんで君に拒否権はありません。」
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