隣の席の不器用男子。
「この前も原田くん、告白されてたよね」
「コハルもされてたじゃない」
「…え?されたっけ?」
「…天然もほどほどにしときなさい」
「え、いや、だって…"付き合って下さい"って言われたから、"どこに?"って聞いたら、その人帰って行ったんだよ?」
「コハル…私、その人に死ぬほど同情する」
え…
友達の私よりも、その失礼な男の人に同情するの…?
「ひどい」
「あんたが言いなさんな」
…友達の高野 紗英(たかの さえ)は、たまに意味のわからないことを言う。
そしてなぜか私は怒られる。
ため息をつく紗英を、私はちょっとだけ睨んだ。
うん、そしたら睨み返されたからすぐ目を逸らした。
怖いもん、紗英。