隣の席の不器用男子。
「おい如月」
「知りません」
「まだ何も言ってないぞ」
みんなが答えられない問題がくると、いつも私を指名する。
そこはあまり好きじゃない。
「……"サムはビルに、急がないとバスに間に合わなくなるよ、と忠告しました"」
「完璧だ。よくできたな」
…こうやってできた時にはちゃんと褒めてくれるところは好き。
小学生の頃にこの人に英語を教わって、英語の楽しみを知った。
…普通はあんな風に、小学生に英語をスパルタで教える人なんていないんだろうけど。
そんなこんなで英語の授業は終わった。
休み時間になると、原田くんは呼び出されて、少しだるそうに呼び出しに応じた。
モテモテだなぁーと思いながら、私はまた頬杖をついて窓の外を見た。
空が綺麗だ。