アニサーコンチェルト♪【番外編】~オレが守るヤツは1人しかいねぇけどっ?!なにかっ?!~
♯やっぱ…オレだろ?!
「潤、もう一回」
ガラスの向こうから監督の声が
頭上から降ってくる
これで、何テイク目だ?
一緒のカットでアフレコする君塚のため息がすぐ傍で聞こえる
もう一度、監督の要望のようにしてみるが、OKの声は聞こえてこない
すると
監督の後ろにいた三ツ井さんの方を向き、なにか二人で話してる
話し終わったと思ったら
「はい、30分の休憩にはいりまーす」
助監督の声が聞こえた
簡易スクリーンに映されていた映像は消え、電気も落とされた
台本を閉じた君塚が先にブースを出て行く
オレも気分を変えようと、君塚の後に出て、そして録音スタジオも出た
地下の階段を上がり、外の空気でも吸おうかと、エントランスへ向かうと…
「おい…潤」
…?いま、オレ、呼ばれたよな?
立ち止まり、振り返ると、君塚が立っていた
へ?…君塚が、名前、呼んだのか?…
「潤、ちょっと顔貸せ」
やっぱそうか…
なんだなんだ、さっきのクレームか…?
君塚の後に続いて行くと、共同ルームに入って行った