アニサーコンチェルト♪【番外編】~オレが守るヤツは1人しかいねぇけどっ?!なにかっ?!~

そして、次の日
オレの話したマナカとの出会いを、水谷さんがスピーディに書いてくれて
A4の用紙を閉じただけのものではあるが、出来上がった台本を社長が持ってきてくれた

アフレコスタジオの録音ブース手前の部屋にいるオレたちに手渡し、
そして、マナカの役が、オレの事務所の声優さんたち誰かに任せてほしいと社長に頼んでおいたのだが…


「怜ちゃん、ちょっと…」


社長が、みんなのコーヒーを用意していた香坂マネージャーを呼んだ


「この台本のマナカちゃん役、怜ちゃんにやってもらうから」


「へっ? 香坂マネージャーに?!」


香坂マネージャーは、マネージャー…だよな… 勝手がわかってても、実際のアフレコは…


「あぁ、君塚以外は怜ちゃんが、以前、声優の仕事してたこと、伝えてなかったよな」


「えぇっ! そうなんすかっ?」


オレも、勝哉も柿谷も驚いた。


「あぁ、オレがまだ別のプロダクションにいた頃、声優の仕事してた怜ちゃんのマネージャーしてたんだわ」


社長も、香坂マネージャーもそんな過去があったなんて…


「オレが言うのもなんだが…」


座って、みんなのやりとりを聞いていた君塚が口を開く


「怜は、昔、劇団にいてそこから声優の仕事始めたから基礎はしっかりしてるし
今時のアイドルな女性声優たちより上手いぜ
お前ら、覚悟してやれよ」


「ちょっ! 純一ってば、そんなプレッシャーかけないでよねっ」


「まぁまぁ、怜ちゃん 元マネージャーのオレもそう思うよ 久々だけど、きっと上手くいく」


「もぉー、社長まで… でも、精いっぱいやらせてもらいます。みなさんお願いします」


ペコリと頭を下げ、台本を受け取り、座った


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