アニサーコンチェルト♪【番外編】~オレが守るヤツは1人しかいねぇけどっ?!なにかっ?!~

マナカのいる病院 ――――――


合宿所を出る時、シズさんとミゥさん二人に
CDが出来たから、これから持っていく。
と、メールをした。


すぐに返信がミゥさんから来た。
夜勤明けで寝てたところ
オレのメール音で起きたらしい。


シズさんは、家の用事で明日まで韓国にいるそうだ。
家の用事で韓国、って…
スケールちげぇよな、さすがお嬢。


ミゥさんと病院のロビーで待ち合わせることになった。


午後だからか、患者さんはまばらで、椅子に座りながら
行き交う人々を眺めていた。


「立川さん」


名前を呼ばれた方を向くと、息を切らしたミゥさんが立っていた。


「遅くなって…ハァ…すみませ…ん…

バスに…乗り遅れ…ちゃって…ハァ…」


「あ、こちらこそ、お休みの最中、すみません」


立ち上がって、ミゥさんに座るよう促した。


「いえ、大丈夫です それより、CD見せてもらってもいいですか?」


「はい、どうぞ」


カバンからCDを取り出しミゥさんに渡す。


「え……。」


受け取ったミゥさんがCDを見て、固まった。


「あ、なんかマズかったスか?」


オレたちは、いいと思ったんだけどな…
一般の人たちには、良くないのか…?


「あ、いえっ! 違うんです! コレ、発売するとかって計画なんですか?」


「え? そんな予定ないス マナカに渡すためのものですけど…」


「す、凄すぎマス… いいんですか? こんな豪華な…
しかも、このイラスト、マナカが好きなイラストレーターですよ」


CDを持つミゥさんの手が少し震えてる。


「あ、お二人の分もありますから、後程送らせてもらいますから。」


「え? 私たちの分まで? ありがとうございます」


そう言って
オレに向かって、頭を下げた


「マナカ、思い出してくれると思いますか?」


「はい、きっと…いえ、必ず思い出しますよ」


ミゥさんは、少しの間目を閉じ、CDをもった手を胸に抱いた。


オレは、ミゥさんに全てを託しマナカの病室へは行かず合宿所へと戻った。

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