アニサーコンチェルト♪【番外編】~オレが守るヤツは1人しかいねぇけどっ?!なにかっ?!~

コンコン…


病室の扉をノックして、ゆっくりと開けた。


中には入らず顔だけ覗くと、
こちらを振り向いたミゥさんとシズさん2人が扉に近づいて来た。


2人はオレとオレの後ろにいた瀬奈さんに笑顔を向け頭を下げると
病室の中へと促した。


「セナ~、シズと私からのプレゼント受け取ってくれる~?」


扉からベッドに近づくまではカーテンで仕切られてるのでオレたちの姿は
ベッドから見えなかったようだ。


シャーッ…


2人がカーテンを開け、瀬奈さんと少し後ろにオレがいる姿がマナカに映った。


「え………」


驚いたマナカの視線は、
とても残念なコトだけど瀬奈さん一点に向かっていた…


しかも…

ちょっと、顔赤くなってっしー

わかってる、今、マナカはオレのことずっぽり忘れてることわかってるけど…
わかってるけど…

あぁー…
なんか、めっちゃ複雑だーーーっ



「あ…の…えっと…その…なん…で、瀬奈さんが…??」


瀬奈さん、そしてミゥさんとシズさんに視線を向け不思議がるマナカ。


「うん、オレ2人とちょっとした知り合いでね、
今回のCDも縁があって参加させてもらったのさ
聴いてくれたんだよね? どうだった?」


マナカのベッドの傍の椅子に座り、瀬奈さんがそれなりにマナカと話を始めた。


ミゥさんとシズさん、オレもマナカのベッドを囲むように椅子に座って
CDのこと、瀬奈さんの作品のことコスプレのことなど
マナカの興味あることをとにかくみんなで話をした。


オレに対しては、ごくごく普通な対応のマナカ。


瀬奈さんをもってしても、何も変わらないのかな…

少し、胸の奥が痛む。


「あの、ちょっと席外してもいいすか?」


マネージャーの三ツ井さんに連絡入れるのを忘れていたので
肩にかけてたデイバックから、スマホを取り出そうとした時…

「あっ…」

一緒に入れていた財布が床に落ちてしまった…


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