君との奇跡
ー透也ー
ニャーン…
「…お前は人懐っこいな…」
猫の頭を撫でると嬉しそうに喉を鳴らした。
「…僕とは…真逆だ。」
少しこの猫が恨めしくも思えてくる。
僕には出来ないから。
僕はあまり人が好きではない。
むしろ、嫌いだ。
小さい頃に人間の本性を知ってからはできる限り人間と深く関わらないようにしている。
ニャーン…?
猫は僕の腕時計を舐めた。
「なに?…あぁ、時間か。」
僕は立ち上がった。
僕の名前は、神無月 透也。
今日から僕は高校生になった。
本当は今日は入学式。
でも、入学式っていうのはどうも堅苦しいために休んだ。
HRだけでることにした。
「…じゃあ、行くよ。」
僕は猫に別れを告げその場をあとにした。